病棟看護師が直面する終末期患者とそのご家族との接し方
病棟看護師は、さまざまな患者さんに長期にわたって接することが多いですよね。その中に、終末期の患者さんも当然いらっしゃいます。多くの看護師は終末期患者とそのご家族にどのように声をかけていいのかや、どのように接したらいいのかに悩んでいることが多いです。
今回は、終末期の医療センターに勤務していて、幼い子供の担当をした看護師の体験談を紹介します。患者さんやその家族に対しての接し方には正解がありませんが、1つの例として、参考にしてみてください。
主任クラスでも辛い
看護師をしていて辛かった事って、私も看護師人生が20年を超えて主任クラスといわれる立場になっても、今でも辛いと思う事って、現実の職務を遂行しながらも経験を重ねている所であります。
看護師って、仕事で辛いと思う心情に立たされる現場が多いかも知れません。肉体的に辛いと・心理的に辛い、どちらも味わうのが看護師とも言えます。
私の辛いと思っている事としては、肉体的というよりも、やはり心理的辛いというところです。
看護師ですから、覚悟はしていますし、時々で感情移入していては務まらないのが事実ではありますが、月に何回も経験する最終章の瞬間に立ち会う事が、やはり私の看護師人生の中で辛いと思う最たる場面になるのです。
この「死」の瞬間に、病棟看護師をしていれば、必ず立ち会います。避けることができないので、患者さんの死に立ち会うたび、さまざまなことを考えさせられます。
自分の子供と重なると感情のコントロールが難しい
ご家族の方のご心情を考えると、ナースステーションに戻ってから、一人涙ながらにカルテを書く事もしばしばです。現在、終末期の医療センターに勤務している関係上、週に何度か、訪れる事が解っているのですが、次の朝出勤したとき、「昨晩だった…」と同僚から聞くと、本当に辛い気持ちになるのが、看護師を長い事やっている身でも感じる現実であります。
また、幼い子供さんの闘病の末の最期を看取る時等は、自分の子供と鏡写しになるとも、現実的な心情としては、しばしばあるというのが本心です。
こうした気持ちでいると、勤まらないとも思う反面、看護師も人間ですから、そうした感情になることもありますが、ここは本当に上手に感情のコントロールをしているつもりです。
本当に辛いのは、ご家族様のほうです。
自分の子供が自より先に逝くという現実を前にして、ご両親のお嘆きはどれ程のものでしょうか・・・とても、1看護師が理解出来る物ではないと思いと、看護師をしながらも思うのです。
変われるものなら、変わりたい。戻ってきて…ママの所にもう一度戻ってきて・・・と、呼吸器を外されたわが子を抱きしめて、放心状態のお母様を何度見た事でしょうか。
この光景は、何度も立ち会ったけれど、言葉になりません。
お腹を痛めて産んだわが子。自分の何分の一しかなかった人生。まだまだ、やりたかったことがあったことでしょう。元気で、幼稚園に行きたかった事でしょう。
私の体験談
こんな子供さんがおりました。白血病で逝った4歳の男の子。
大好きだった幼稚園の制服を着せて、あげていいでしょうか?とお母様に言われた時の事を思い出します。この時亡くなった子供さんは、まさにうちの息子と同じ幼稚園の同じ学年の子供さんでした。
元気に通っていた、半年前のお姿を見ていただけに思わずお母さんを抱きしめました。そして、絶対に泣いてはいけないという信念を貫きました。お母さんが闘病の末に逝ったわが子の現実と、病気と闘ったわが子の最期を受け止めている事に心を打たれました。
こうした経験で、看護師という立場で働く事で辛い事も沢山ありますが、人生というものを深く考える事が出来るとも思っています。
人生について考える日々
看護師として、「死」に立ち会う時間は、病院を去る迄の時間でありますが、ご遺族様に置かれましては、これから先の時間も家族を死を受け取めていく人生のスタートであります。
長い看護師生活で、「死」とい言葉の重みについて考えない日はないです。
人は、必ず訪れる最終章。その時に、悔いのない人生だったと言える様に、今を全力で生きる。そんな生き方をしないと、と日々思う所であります。
人は、明日もあると考えがちですが、急性期の場面等に遭遇する事で、明日は必ず訪れるものではないと思う様になりました。人間として生を受ける事の素晴らしさを痛感すると同時に、一瞬一瞬全力で生きる事の大切さを実感させられる今日この頃であります。
看護師さん達、一緒に頑張りましょう。
サイト管理人より
看護師をしていたら、必ず終末期の患者さんはいらっしゃいますし、患者さんの死には直面します。どんなふうに患者さんに接したらいいのか、どんな言葉をかけていいか、今回の体験談をみてわかりにくかったところを補足します。
終末期の患者さんは、精神状態が非常に不安定です。良かれと思って言ったことが、相手にとって苦痛だったりします。そのため、看護師は受け身的なサポートをすることになっていきます。
たとえば・・・
- 患者さんの話を親身になって聞く
- 心の中の整理を手伝う
積極的に接するというよりも、寄り添う感じです。
今回の幼いお子さんが亡くなった体験談でも、言葉をかけたことはかかれておらず、幼稚園の制服を着せてあげたいという希望を叶えてあげたり、お母さんを抱きしめたという、寄り添う行動が中心になっています。
また、ご家族に対するサポートとしては、患者さんの死後に「もっとやってあげることがあったんじゃないか」などに思い悩んだり、後悔することがないように、これまでご家族が患者さんにしてきたことを肯定することが大切です。
看護師としては、患者さんの終末期のサポートをすることはとても精神的につらいことかもしれませんが、体験談でもあるように、患者さん自身やご家族のほうがよっぽどつらいですから、そういった人の力になれることは素晴らしいことですし、看護師にしかできないことだと思います。
患者さんが精一杯生きられたと思えるような看護をしていきたいですね。
気持ちのケアができるようになりたい看護師にオススメの診療科
当サイトでお申し込み数の多い転職サイト
⇒ 管理人がまとめた転職サイトのスペック比較表を見る
転職したいなら以下の記事もチェック |
看護師の履歴書の書き方!自己PR・志望動機・得意科目は? |
看護師の面接必勝マニュアル!これで面接対策はバッチリ! |
看護師転職時の年金・税金の処理方法!面倒な手続きもこれでわかる! |
看護師転職時の健康保険手続き方法まとめ! |
看護師の退職理由はどう話す?具体的な理由も紹介します! |
給料アップ目指すなら以下の記事もチェック |
看護師の副業でおすすめは?目指せダブルワーク看護師で年収1000万 |
給料アップのための看護師転職!施設や診療科の狙い方 |
看護師の平均給料は安い?手取りは?高い県はある? |
看護師バイトでお小遣い稼ぎするなら以下の記事をチェック |
看護師の副業・バイトの確定申告やバレない税金の支払い方 |
看護師の副業・ダブルワークは違法?罰則や罰金はある? |
看護師の副業・ダブルワークはバレる?マイナンバー制度でどうなる? |
20代看護師におすすめのイベントナース!看護師単発バイト |
MCナースネットの口コミ・評価(看護師単発バイト・ツアーナース等に強い!) |