看護師の仕事が辛い、辞めたいと悩んだ体験(消化器内科病棟)
看護師の仕事が辛い、辞めたいと悩んだ経験について、当サイトに寄せられた悩みについて紹介します。寄せてくださったのは、消化器内科病棟に勤務する女性の看護師さんで、重篤な患者さんの看護をされていました。
◆看護師の仕事って?
◆私ってすごく無力なんだ・・・
と感じておられる場合は、この体験談が少しヒントになるかもしません。
私は以前消化器内科病棟で勤務していました。消化器というのは主に食道、胃、十二指腸、大腸、肝臓、すい臓、胆嚢なので、治療のほとんどが癌の患者様です。癌で亡くなる患者を200例以上は見てきた中で、忘れられない体験の一つを書かせていただきたいと思います。
患者さんとの出会い
ある日、70代の男性の患者様が入院してこられました。その方の病名は胃癌でした。既に癌が広範囲に広がっていたため、手術は適応外で、化学療法の治療を始めました。
入院を担当させていただいた私は、なぜかとても患者様に気に入っていただき、入院治療の度に担当させていただいていました。患者様から頼りにされることはとても嬉しいことです。
最初は化学療法もあまり副作用はなく、本人も慣れた様子で、治療を受けては退院し、自宅で経過観察の繰り返しでした。
患者様の性格はあまり物事を溜め込まず、常に明るい方でした。入院中も「ウチから夏の花火がすごく綺麗にみえるからさ、住所はここだから今年の夏絶対来てよ、その時入院になってなければいいなー。」なんて話をしたりもしました。手術適応外ということは私自身、気にはなっていましたが、疾患や治療、予後について患者様のほうから触れられることはなかったので、あえて私から深くお話えおすることもなく、毎回の入院治療を進めていきました。
1年が過ぎて異変が・・・
最初の入院から、1年以上がすぎたころ、段々胃がんの状況が深刻になり、体はどんどんやせ細り、度重なる化学療法の副作用で、手足の皮膚は黒ずみ、カサカサになり、ひび割れ、食欲も落ちて緊急入院してこられました。もう化学療法は継続できないという状況になり、その患者様は個室へ入院されました。その時の患者様の様子は、1年前と別人のようで、本当に驚きました。
かつての明るかった性格とは異なり、死を意識し始め、食事量も減った患者様はとても攻撃的な言動が目立つようになり、特に毎日面会に来ていた奥様に辛くあたり、奥様も心身ともに疲労がたまり、本人のいないところで、泣き出してしまうこともしばしばありました。
日常の生活も困難になり、ベッドから移動することもできなくなり、一日を個室のベッドの上で過ごす日々が続きました。何が気分転換になるお話ができないか、と思いベッドサイドに行っても、気の利いたことを言えるわけでもなく、患者様も表情は暗く、進んでお話されることはありませんでした。
看護師の無力さを知りました
そして、ある日その患者様のお部屋のナースコールが断線しアラーム音がなったので訪室してみると、その患者さまはナースコールを首に巻きつけ、「もう殺してくれー」と叫ばれていました。このときの姿は、今でもはっきりと覚えているほど、私自身ショックを受けました。
その後メンタルヘルスのスタッフを介入させたり、カンファレンスで、患者様との関わり方を何度も検討してみましたが、患者様に有効な方法は見つからないまま、何もできないまま、数週間後に亡くなられてしまいました。
この時ほど、看護師が無力だと感じたことはありません。医者は治療の専門、薬剤師は薬の専門、作業療法士や理学療法士はリハビリの専門。では、看護師とはなんなのでしょう。話を聞くことが看護師の大切な仕事ではありますが、それだけでは患者さんが病気を治すということに直接的に関与することができないのだなと、看護師としてできることの限界を知りました。
これが、私が目指していた看護なのだろうか?医師の指示の通りにだけ動くのでは看護師は必要ないのではないか?そんなことを考えるようになっていました。
入退院を繰り返し、状態が悪くなっていくことは予想できていた患者様、いつも前向きに治療を頑張ってこられた患者様に対して、自ら死にたいと思わせてしまった。もしかしたら、「いつも前向きに」というのすら看護師の思い込みで、本人はずっと辛かったのかもしれません。
悩みは尽きないけど、看護師継続中
結論から申し上げますと、このような患者様への対応に対しての、確実な解決策は未だにわかりません。治療の早い段階で、死に対して考えることができる人間なんていないと思うし、もし私がこの時の患者様のように、とうとう治療ができなくなった状態で、日々病室で何をしたらいいのか・・・と悩んでしまったら、私も早く辛い状況から解放されたくて、ナースコールを首に巻きつけたかもしれません。
私が看護師をしていて辛かったことはまだまだたくさんありますが、一番辛いのは、患者様やその家族が、一生を頑張って生き抜いたと思えない時、患者様から笑顔を奪うことになってしまった時です。
頭では、全員を助けることはできないとわかっています。ですが、私は人の死に関して、考えすぎてしまう部分があり、患者様の看護について悩みはつきることがありません。一つ一つ気持ちに整理をつけることができる看護師として成長できる日がくるのかなと日々奮闘しています。
サイト管理人より
看護師をやっていて、患者さんの死と向きあうことに関して悩みがあったり、ストレスに感じている人はとても多いです。人が亡くなるのですから、辛く感じない看護師はいないと思います。
当サイトの管理人の看護師友達も、もう治療が施せない患者さんの看護をするのが一番辛いと口をそろえて言います。病院は、病気を治すためにあるのに、そもそも治療ができないってなった場合、とてもジレンマを感じるのですよね。
こういった、重篤な患者さんの看護は非常に重要ですが、日々、患者さんの死が近くにある職場では、患者さんが亡くなる辛さを超えるぐらいの相当な使命感や強靭なメンタルがなければ、今度は看護師側のメンタルがやられてしまいます。メンタル的にどうしても厳しい場合は、重篤な患者さんが多い診療科ではなく、整形外科など、患者さんが良くなっていく場面をなるべく多くみられる診療科に転職するのも一つの手だと思います。
看護師のメンタルが悪くては、適切な看護や、患者さんとのコミュニケーションができないですからね。ずっと同じ診療科にいる必要はないと思います。今回、体験談を頂いたケースのように、看護師としての役割に疑問を感じているなら、もしかすると手術室看護師のような「手術を成功させる」などと、はっきり業務の目標が決まっているところに行くと、自分自身の看護について向きあうことができるのではないかなと思います。
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